基本的な戦い方
ターツ
配られた13枚の牌から面子、アタマ、面子候補を探します。
面子候補となる、あと1枚で面子になる2枚の組み合わせを
ターツ(塔子)といいます。
ターツの種類
両面 (リャンメン) |
両端どちらかの |
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カンチャン (嵌張) |
真ん中の足りない形です。 |
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ペンチャン (辺張) |
端に寄った3や7の |
同じ牌は2枚でアタマ、3枚で面子になるため、
アタマは面子候補とも言えます。
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ターツ | 面子 | ターツ | ターツ | アタマ |
面子とターツで4組、アタマが1組揃っていれば、
その他の牌はすべて不要牌、余剰牌と考えられます。
必要な牌が来るまで引き、入れ替え、すべて面子になれば完成です。
孤立牌
実際には、面子、ターツ、アタマの数が揃っていないバラバラの状態が多く見られます。
この場合は、孤立牌から面子になる形をイメージし、牌を選んでいきます。
数字により、面子になるパターン数に違いがあります。
孤立牌から面子になるパターン | ||||||
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パターンを元に優先順位を決め、牌を選びます。
数字の3~7は面子になるパターンが多いため孤立牌の中でも残す価値が高いと言え、
反対に字牌は同じ牌3枚を揃える1パターンのみのため、使うには工夫が必要になります。
面子オーバー
牌の入れ替えを進めていくと、面子、ターツの数がオーバーする場面も出てきます。
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ターツ | 面子 | ターツ | ターツ | ターツ | アタマ |
この場合も基本的な優先順位を元に進めます。
ターツにより、面子が完成する牌の枚数に違いがあります。
面子が完成する牌の枚数
両面 | ×4×4=8枚 | |
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カンチャン | ×4枚 | |
ペンチャン | ×4枚 |
両面ターツのみ面子が完成する牌が倍の2種類8枚あるため、面子になりやすいと考えられ、残す価値が高いと言えます。
同じ枚数のカンチャンとペンチャンには実は違いがあります。
両面変化 | |||||
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カンチャンは、 |
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ペンチャンが両面変化するには、 |
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カンチャンはペンチャンよりもやや残す価値が高いと言えます。
細かいことですが、覚えておくと優先順位をつけやすくなります。
ターツ選択後は2枚とも捨てることになります。
シャンテン
テンパイに必要な牌があと1枚の形は
イーシャンテンといいます。
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テンパイまでの必要な枚数にシャンテンと付けて示されます。
麻雀数字を用いて、
1の意味のイーでイーシャンテン
2の意味のリャンでリャンシャンテン
3の意味のサンでサンシャンテンと数えます。
待ちの形
テンパイし、最後の必要な牌を待つ形にも名称があります。
待ちの種類
両面 |
両端どちらかを |
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カンチャン |
真ん中を待つ形です。 |
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ペンチャン |
端に寄った3や7を |
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シャンポン (双碰) |
どちらかが面子、 |
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タンキ (単騎) |
雀頭になる同じ牌を |
カンチャンやペンチャンなどの
待ち牌が少なく優秀でない形は愚形といいます。
待ち選択
待ちを選ぶ必要がある場面があります。
その場合にも基本的な優先順位を元に進めます。
待ちにより、アガりが完成する牌の枚数に違いがあります。
アガり牌の枚数
両面 | ×4×4=8枚 | |
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カンチャン | ×4枚 | |
ペンチャン | ×4枚 | |
シャンポン | ×2×2=4枚 | |
タンキ | ×3枚 |
シャンポンは待ちの種類が2種類あるのでアガり牌が多いように感じますが、自身で2枚ずつ持っているため、
実際はカンチャンやペンチャンと同じ4枚です。
勘違いしやすいので気をつけましょう。
両面かタンキか
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アタマのないテンパイになった場合、
かを切るとタンキ待ちになりますが、この場面ではを1枚切り、面子をアタマにしてしまえば、を使った両面待ちが完成します。
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カンチャンかシャンポンか
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を切ればカンチャン待ち、を切ればシャンポン待ちになる形です。
どちらを選択しても待ちの枚数は同じなので、この場合には、場に捨てられている牌をよく確認し、残っている牌の多い方を選びます。
ペンチャンかシャンポンか
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基本的には、カンチャンかシャンポンか選ぶ場面と同様です。
ここで考えられることは、孤立牌の重要度です。
相手プレーヤーがを孤立で持っていた場合、大事に残す価値はあまりなく、不要牌として場に捨てる可能性が高いと考えられます。
相手プレーヤーの目線を利用し、とのシャンポン待ちにすることで、優秀な待ちが完成すると言えます。
残り枚数が全く同じ場合、このように牌の種類をヒントに進めることもできます。
不要牌になりやすい牌はすでに場にすべて切られてしまっていることもあります。
残り枚数をよく確認しましょう。
攻撃
麻雀における攻撃力とは、まずは打点力です。
点数の高い手をアガることで大きく勝利に近づきます。
ドラ
ドラを引いた場合、ドラを使い面子や頭を作ることで点数が高くなります。
ドラを使う上で大事になるのが、ドラだけでなく、ドラを引く前のドラのそばの牌も持っておくということです。
せっかくドラを引いても回りの牌を切ってしまっているとドラを使うことができません。
ドラを受け入れる形も作っておくことで、点数を高くするチャンスを逃さないようにしましょう。
役
役は複合が可能です。
高翻数の役、または多くの役が含まれている手を作ることで高打点のアガりを目指します。
翻数は4翻あると十分な高打点になります。
アガりの点数を覚えるのは少し難しいため、まずは翻数だけ覚えてみましょう。
高翻数の役は、条件が限られている場合が多く、毎回狙って作るには限界がありますが、2翻までの役を狙い重複させ、高打点を目指すことは現実的で効果的です。
複合し、高打点が見込める役がいくつかあります。
リーチ | 1翻 | ||||
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[正式]立直(リーチ) [俗名]リーチ |
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解説 | |||||
門前テンパイの状態で「リーチ」と発声し、場に1000点を預けることで成立します。
使用する面子に条件はありません。 リーチ宣言後は手牌を入れ替えることができません。 |
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リーチの役は、門前であればどんな手牌にも付けることができ、唯一、裏ドラが付きます。
裏ドラ
ドラ表示牌の下段の牌は裏ドラ表示牌となり、
リーチの役を含みアガった場合のみ、裏ドラの翻数を加算することができます。
アガり成立後にめくります。
ドラと同様に表示牌の次の牌がドラです。
リーチの役は常に1翻+?の期待を含んでいます。
基本的には、門前テンパイはリーチの役を付けるようにしておくと、高打点が見込めます。
リーチをかけた場合、手牌を入れ替えることができなくなるため、待ちの牌が無い、少ないなど悪条件が目に見えている場合は、リスクを回避しリーチしないことも検討します。
テンパイ中、リーチ宣言していない状況は、黙ってテンパイの意味のダマテンといいます。
鳴き
他のプレーヤーがじっくり手を作っている内に、翻数にこだわらず誰よりも早くアガることも一つの戦い方です。
この場合、ポンやチーの鳴きが効果的です。
鳴きによって翻数が下がってしまう役も多く、リーチがかけられなくなるなど、点数を上げにくくなるのは実際のところですが、自身だけでは完成させにくいカンチャンやペンチャンのターツも上家からチーが可能で、シャンポン形はポンすることで、面前よりも圧倒的に早いアガりが実現します。
役牌 | 1翻 | ||||
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[正式]翻牌(ファンパイ) [俗名]ヤクハイ |
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解説 | |||||
風牌、三元牌で刻子を完成させ成立します。
役として成立する風牌は局ごとに変わります。 場に当てられる場風、プレーヤー4人それぞれにに当てられる自風があります。 片アガりになるケースがあります。 |
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役牌が手の内に2枚あれば、ポンすることで役として成立します
役になる牌は、風牌と三元牌です。
風は局により変わるため、初めは理解するのが難しいかもしれませんが、三元牌は常に役牌で、変わることはありません。
三元牌が2枚あれば、いつでもポンすることで役として成立します。
役牌を鳴いた後は、未完成のターツ部分を全てポンやチーで揃えることができます。
全てのターツを鳴きで完成させると、最後は1枚のタンキ待ちになります。
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裸タンキといいます。
面前、鳴きどちらにもメリットデメリットがあります。
上手に使い分けてみましょう。
パオ
他プレーヤーの1人がいくつかの牌を鳴いている場合、自身の捨てる牌に注意が必要になる場面があります。
役満を確定させる牌を鳴かせた 場合、パオ(包則)という罰則が発生し、アガり成立時に点数を責任払いしなければなりません。
パオが発生する役満の一例
大三元 | 役満 | ||||
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[正式]大三元(ダイサンゲン) [俗名]ダイサンゲン |
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解説 | |||||
三元牌で刻子を3面子完成させ成立します。
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大三元であれば、三元牌の2種類の牌を鳴かれた後、役満として成立する3種類目の牌を鳴かせたプレーヤーに責任払いの罰則が発生します。
- パオの支払い方
- ツモアガり 鳴かせたプレーヤーの全額支払い
- 他プレーヤーの振り込み 鳴かせたプレーヤーと半額ずつ
責任払いになる牌を引いてしまった場合
自身の手がアガりに見合わない形でわざわざ切り出す行為は大きなリスクを伴うことになるため、できるだけその牌を使う、もしくはオリて流局を待つのが基本的な立ち回りになります。
責任払いになる牌を持っていない場合
リーチ宣言には注意が必要です。
宣言後は自身のアガり牌以外捨てることになるため、リーチ宣言中に責任払いが確定する、またはすでに役満のアガりとなる牌で振り込むことになる可能性があります。
リーチ以外の役を付けるようにましょう。
役満を確定させた場合でも、自身や他のアガりの発生により責任払いを回避することはできますが、
アガりの期待値の低い形や、打点力もない形での責任払いになる牌の切り出し、またはリーチ宣言は、暴牌(ぼうはい)などと呼ばれ、他プレーヤーからひんしゅくを買うかもしれません。
麻雀は4人でやるゲームです。
あまりにも身勝手なプレーは嫌がられますので注意しましょう。
守備
4人全員がアガりを目指すゲームであるため、
毎回自身がアガれるわけではありません。
実際には振り込みを回避し、守りに回る場面も多くなります。
勝負にならない手牌からの放銃はとても損であるため、
振り込みにくい、通りやすい安全な牌を知っておく必要があります。
相手プレーヤーがリーチ宣言をしてきた場合は、テンパイ宣言と同じ意味であるため、特に注意が必要です。
フリテンというルールがあることから、
相手プレーヤーは自身で切っている牌にはロンアガりできないため、相手が捨てている牌は現物(ゲンブツ)といい、すべて安全牌です。
現物が無い場合に、ヒントになる考え方がいくつかあります。
スジ
相手の待ちの形を、両面待ちと想定した場合、
待ちの種類は2種類あることになります。
待ちの形がであれば、とです。
この2枚の数字の組み合わせをスジといいます。
スジを元に安全な牌を読むことができます。
スジの仕組み |
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を捨てているプレーヤーは、 |
5を中心に左右対称であるため、
が捨てられていれば、も安全牌になります。
初めは難しく感じるかもしれませんが、自身の手牌を眺めていると簡単に理解できるようになります。
勘違いしやすい点として、
だけが捨てられていても、の待ちの形の可能性は消えないため、が安全なわけではありません。
あくまでものスジがとです。
とが両方捨てられている場合には、が中スジとして成立します。
スジ
捨て牌 | 安全牌 |
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捨て牌 | 安全牌 |
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スジは麻雀数字で覚えられています。
スジの覚え方
イースッチー | |
リャンウッパー | |
サブロッキュー |
牌の種類を後ろに付けて、
スッチーマン
ウッパーピン
サブロッソーなどと呼びます。
あくまでも相手の待ちが両面待ちと想定した場合の安全牌です。
両面待ち以外の形には通用しません。
その他の待ちの形を読むには高い技術が必要です。
スジには、ひっかけという危険な場面もあります。
スジひっかけの仕組み |
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などのリャンカンという形が存在するため、 |
相手の目線を利用し、意図的にスジひっかけをするプレーヤーもいます。
特にリーチ宣言牌のスジはもろひっかけと呼ばれ、むしろ危険牌になってしまう牌です。
宣言牌のスジは危険牌と覚えましょう。
このような考え方が1つの読みの技術です。
麻雀には様々な読みの技術が存在します。
読みを利用し、裏をかく技術も多く存在します。
相手プレーヤーに読みの技術があるほど成功します。
裏をかく打牌はリスクの高い行為となるため、
まずは基本通りに覚え、理解した後に挑戦してみましょう。
人読み
同じメンバーで打つことが多い場合のみ使える読みの1つに、人読みがあります。
相手プレーヤーの性格や好みから考え方を読む方法です。
当たり牌そのものを読むことはなかなかできませんが、
状況から比較して通しやすい牌や、切りにくい牌を考え出すことができます。
人読みは全く検討違いな場面も多くあります。
あくまでも参考程度に考えましょう。
相手の好みから打点を読む
あるプレーヤーに高翻数の役や、役を多く重ねたアガりパターンが多いと感じれば、そのプレーヤーはやはり高打点を好むプレーヤーです。
リーチに飛び込めば取り返しの付かない点数を支払うことも多くなるため、自身の点数を守るためにオリることが無難な選択になると言えます。
反対に、役にこだわらず打ち進めるプレーヤーだと感じた場合は、そのプレーヤーからのリーチには打点が伴っていないことも多いため、自身の手が追い付けば向かっていく価値はあると言えます。
相手の性格から待ちの形を読む
普段から几帳面であったり、物事を慎重に考える性格のプレーヤーは両面以上の安定した待ちの形を作っていることが多く、確実なアガりを拾いに来ます。
不安定な形で向かっていくには不利ですが、スジが通しやすいという面もあります。
豪快で怖いもの知らずな性格のプレーヤーは愚形のリーチ宣言も多いため、自身の手によっては向かっていく価値はありますが、戦わずにオリる場合にはスジが通りにくいという面があります。
「このプレーヤーはシャンポンが多いな」など、
小さなことにも気付いたら覚えておいてみましょう。
案外戦いのヒントになります。
癖や表情から読む
悩みながらリーチ宣言が来た場合は、愚形や待ち牌が少ないケースも多く、自信満々であれば好形や高打点のリーチの可能性があると考えることもできます。
あからさまに急に手が震えたり、緊張している様子が伝われば、役満のテンパイなどの可能性も考えられます。
ずる賢い性格のプレーヤーであれば人読みをすべて逆手に取り惑わしてくることもあります。
親しい相手であれば嘘をついている表情が分かるかもしれません。
相手プレーヤーを雀風に当てはめ覚えておくと、
困った場合にヒントになるかもしれません。